自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

下ハンが握りづらい方へ

僕は坂を下るとき、下ハンを握っています。 下ハンってのもまた俗な言葉ですが、ドロップハンドルのアーチ下側ですね。乗っている方には説明も不要と思いますが。 僕が下ハンを握っているのは、前傾を深くして空気抵抗を極限までそぎ、高速で走るためではあ…

利根川源流めぐり(May-2019)

坤六(こんろく)峠という峠がある。群馬県北、県道63号水上片品線が町界で越える峠である。以前から訪れてみたいと思っていた場所で、でもなかなか行けずにいた。いろいろな踏ん切りが必要な場所だった。たとえば、その日のルート長がそれなりに長くなる…

ビワイチ(May-2019)

そもそも僕が自ら〇〇イチなどという達成目的のサイクリングを計画するということはまずなく──どこかの島に出かけたり、湖をめぐろうとか、結果的にルートが一周になることはあれど──、したがって琵琶湖を一周したいなどという発想で事が始まるのは、他人(…

弾丸出発

お天気、狙いを外したなあ。 ほんの少しでも、少しでいいから好転してくれるとうれしいのだけど。 年に数回いい出す妻の気まぐれ自転車は今回が本番。おとといの前哨戦サイクリングを経て、いざ出発。 今回は、ビワイチ。 気まぐれに乗る程度なので走り切れ…

箱根やまなみ林道・箱根山林道(Apr-2019)

つまらない、退屈な道。 それが箱根やまなみ林道の情報を収集していておおむね得られた情報だった。情報源の多くは自転車か、バイクか、ジムニー乗り。木々に囲まれた見晴らしのない林道は誰の目にも魅力に欠けるようだった。上りきれば360度の遠景を望む…

上天の道、上天の茶室 - 粟谷松田林道、行道山浄因寺(Apr-2019)

最初に断っておかなくちゃいけない。 行先は志賀草津道路でも磐梯吾妻スカイラインでも富士スバルラインでもない。稜線道路でも高原道路でもなければ、須藤英一氏の名著日本百名道に取り上げられるような絶景道路でもない。標高だって二千、千、いやいやそん…

桜・菜の花・いすみ鉄道サイクリング(Apr-2019)

暖かい。暖かくなった。僕の待ち望んでいた春が来た。出かけるのにふさわしい。こんな日だから出かけよう。 車に自転車を無造作に積み込んだ。自転車一台だからバラしもせずそのまま、後ろの席を全部倒して。窓を開けて走るにはまだ少し肌寒い。6時台に出ら…

中津川で栗きんとんを買い、名古屋できしめんを食べる鉄旅(Mar-2019)

長い長い下り坂を、抑速ブレーキで下っていた。電車の大きな窓から、曇った空と霞んだ空気ではっきりしない甲府盆地の風景を望み、それはさながら映画スクリーンのようだった。残念な天気ではあったけど、見通しが利かなくても、僕はこの風景が好きだ。中央…

マイ輪行ノウハウ - エンド金具がずれたり動いたり

引き続き、輪行に関して僕がふだんやっている独断のやり方のご紹介、小ネタシリーズです。 縦型収納の場合、エンド金具が必要です。リアエンド、つまりリアディレーラーがついている箇所を下にしようというのだから、どうしたって保護具がいりますよね。 こ…

昇仙峡・ホッチ峠・中央本線沿線(Mar-2019)

春になると山梨に行きたくなるのか。 振り返ってみると去年も3月に早川町に出かけている。 山梨に限った話じゃないんだと思う。ようは冬のあいだ凍結や雪で山に行くことができないから、そろそろ山の風景が見たいって考え始める季節なのだ。といってもまだ…

マイ輪行ノウハウ - デッド・スペースに入れてしまう

前回、輪行での車輪収納に関して、僕がふだんやっている独断のやり方を紹介しましたが、少し小ネタも書こうと思います。たいした話じゃありませんが。 輪行袋はハンドルを曲げて(折って)収納することがほとんどだと思います。その方が横幅の張り出しが少な…

マイ輪行ノウハウ - 薄く収納し、自転車をきちんと立たせる

ごくまれに、僕が輪行のとき収納しているようすを見て、「えっ!?」といわれることがあります。輪行ばかりするので、そのなかで編み出した自分なりのやりかたなわけですが、輪行袋のメーカーはこのやりかたをしません。説明書にある内容とは違いますが、ご…

最終カードは切らない

「大手町君っ、また──」 任パト(任意パトロール)からカナエが本部基地に戻ってきたとき、すでに大手町も自席のモニターで状況を把握していた。「ああ、今週末だろ。今見ていたところだ」「そう。また、週末だけが雨の予報になったわ。街も騒ぎになり始めて…

眠いから帰って寝る

土曜日はいわゆる「降る降る詐欺」で、確かに夕方多少の雨に見舞われたけど、考えてたサイクリングには行ける天気だった。家のことと、いつでもいいのだけどいつかやらなきゃならない付き合い系社交辞令系の用事を済ませ、結局夜になった。 土曜日が悪くて日…

雨の絶景ロード / 風早峠・西天城高原道路(Mar-2019)

もともと天気に恵まれていた日ではなく、雨が予報に現れている日だった。早いうちからそうだったから、あきらめてまたの機会にすることを内心考えてた。じゃあまたの機会っていったいいつなんだ? 延期とは重荷を背負い直すこと。都合を確認し、もう一度日程…

自転車に乗らなくていい日

週が明けると早速週間天気予報を見つつ次の週末はどうしようなどと考えはじめる。予報が晴れで、確度が高ければ、心配なく行きたいところをチョイスする。理想的な週の過ごし方だ。しかしながらそんなハッピーなことなどむしろまれで、天気に恵まれないこと…

自転車車載と鷲子山上神社(Feb-2019)

本殿とは別の鳥居から階段を上がった先に金色をした大フクロウがあった。参道に覆いかぶさるように大きいもので、しかしながら僕から見たらそれは神々しくも神秘的でも神通力を感じさせるものでもなかった。金色の張りぼて。フクロウをデフォルメした何かの…

クロモリ自転車と木製バット

ああしかしこの前の週末サイクリングはいったいどうしてしまったというのでしょう。走ることができなくて嫌な疲ればかりがたまってしまって。サイクリング自体は楽しかったのに、走ることを途中で断念せざるを得なくて行程を切り上げてしまうことになり、本…

房総縦走曇天模様(Feb-2019)

房総はかつての律令国時代の安房、上総、下総の「房」と「総」を取ったもので、房総三国という呼び名もあった。いってみればそもそも千葉県全域を網羅する総称である。しかし近年、房総半島という固有名詞のほうがむしろ耳にする機会も多く、房総といえば房…

青春18きっぷ・2019

まあ例年この時期にはなるんだけど、ようやく今年の18きっぷの詳細が発表された。利用期間は例年と変わらず。この利用期間と、発売されることそのものがわかれば、まず僕にとってはオッケーだ。 利用期間はこうだ。 春:2019年3月1日(金)~2019年4月1…

情報収集

週末のサイクリングに一緒に行きたいと声をかけられ、僕はもちろんどうぞ、一緒に行こうと答えた。自分の子どもとほとんど年の変わらない青年に一緒に行きたいといわれるのはどう頭をひねったって不思議なことで、その動機にたどり着けないのだけど、せっか…

寒がりシューズカバー

冬、シューズカバーが手放せない。これを靴の上にかぶせるということは、面倒で大変なばかりだけど、手放せない。仕方がないよ、寒がりなんだから。 そんなわけで冬になれば引っ張り出して使っているシューズカバーがいよいよぼろぼろになってしまった。いや…

ルートという物語をときには完全享受してみよう

国道を、全線走ってみようと思った。 ──いや、今に始まったことじゃないし、国道県道含めて何度かやったことがある。 また、あらためて思った。 ◆ もともと僕は自転車で走ることと同じくらいルートを作ることが好きで、いい過ぎかもしれないけれど、作ったル…

千葉里道散策から海へ(Jan-2019)

千葉市というところは県庁所在地であり政令指定都市であり、それでいながらふんだんに自然や里が残っている市だ。さいたま市だって見沼田んぼっていう自然と里を残した場所があるといえばそうだけど、規模とその深さが違う。 里をゆく道をたどって行こう。そ…

線路沿いを自転車で散策する

列車に乗って窓の外を眺めていると並行する小道に興味を覚えたりする。それは輪行しているときだけじゃなくって、鉄道旅をしているときももちろん、ただ用事があって鉄道に乗っているときも。さすがに日々の仕事で使うような通勤の電車はさておいても、窓の…

栃木県南の眺望と駅前ラーメン(Jan-2019)

好きな駅で降りるっていうのは気分がいい。 もちろん輪行サイクリングは汽車旅や駅を目的にしているわけじゃないから、毎回毎回好きな駅を選んで降りるってできるわけじゃない。駅などサイクリングのルートによって決まるのだから。 今日は、好きな駅で降り…

りんりんスクエア土浦

つくば道にサイクリングに行った日、輪行下車駅を土浦にしたので、りんりんスクエア土浦なる施設に立ち寄ってみた。 りんりんスクエア土浦とはいわばサイクリング拠点となるサービス施設で、去年ウェブやツイッターで名前を目にする機会が多かった。 てっき…

つくば道・八郷(Jan-2019)

参詣道づいているわけじゃなくたまたまなのだけど、つくば道に行ってみようと思った。道はふもとの北条のまちから一里、4キロで中腹の筑波山神社に至る、江戸時代の参詣道である。 さらに今日は筑波山系の縦走ルートに行ってみようと思ってた。 つくば道か…

中伊豆南下縦断(Jan-2019)

国道414号がふたつに分かれる。直進は現道・新天城トンネル、左は旧道天城隧道だ。その分岐で静かな坂道の旧道を見上げた。今日は旧道をあきらめることにする。そう決めた。天気が悪いこと、寒いこと──。行けないことはないと思う。少しだけ残念、でもお…

愛知・三重へ(その2)(Jan-2019)

(その1から続く) 僕自身がルート作成に関与しないサイクリングをするのはいつ以来だろう。今、ガーミンに表示させているルートは、今回の旅のきっかけになった、ひみよし (id:himiyoshi)さんが作ってくれたものだ。なんだか新鮮。ただ、自分で引いていな…