自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

鉄道紀行

京王線と銀杏甲州街道

京王線は都会派だと思う。 首都圏郊外のベッドタウンに暮らし、そこで生涯を終えるであろう僕にとって、目に入る光景がまざまざとそう実感させた。 新宿駅の地下ホームを出た京王線電車が、今地上に上がり、昼の光を受けた。じつにごちゃっとした景色が目に…

最長時間普通列車の旅 - 飯田線

飯田線である。 これまで乗ったことがなかった。 まあ鉄道全線に乗ったり最長片道きっぷを作ったりってほど積極的じゃないし、日本の鉄道のせいぜい10分の1くらいしか乗ったことがないと思うんだけど、それでもこの有名路線に今まで乗ったことがないか、…

中津川で栗きんとんを買い、名古屋できしめんを食べる鉄旅(Mar-2019)

長い長い下り坂を、抑速ブレーキで下っていた。電車の大きな窓から、曇った空と霞んだ空気ではっきりしない甲府盆地の風景を望み、それはさながら映画スクリーンのようだった。残念な天気ではあったけど、見通しが利かなくても、僕はこの風景が好きだ。中央…

そうだ、アキュムに乗ろう

またも天気に恵まれないとは。 伊豆に、行きたかった。暖かいし(想像)。それと、枯れた細野高原の風景を見に行きたいと思った。ルートを引いて、列車の乗り継ぎを調べた。でも、雨になった。唯一低い降水確率と晴マークを出していたtenki.jpさえ、週末が近…

三重県私鉄、ナローゲージの旅(Jan-2018)

ナローゲージには馴染みがない。 関東でナローゲージを採用している鉄道はないし、残念ながら僕の記憶にもない。ナローゲージを採用していた記録を見返しても、湘南軌道(秦野-二宮)や九十九里鉄道(東金-上総片貝)など、僕の知らない鉄道路線。九十九里…

三重県私鉄、ナローゲージの旅(計画・出発編)

あけましておめでとうございます。 2018年の正月は寒い。とにかく寒い。こたつで丸くなりたいけれど、家にこたつはない。動きづらいほど厚着をするか、環境とか無視してガンガンに暖房を焚くか、そんなふうに正月休みを過ごしている。 ありきたりの親せ…

211系で最後の18きっぷ

今季の18きっぷ最後の旅は、吾妻線に出向いた。自転車を輪行し、終点の長野原草津口まで乗った列車は、銀色の211系だった。 吾妻線に乗ったのも久しぶりだったけど、高崎にやってきたのも久しぶりだった。輪行で下り始発の高崎線に乗ると、すぐさま信越…

円盤餃子と冬の残片

餃子というと、僕の持っているイメージで言うなら、宇都宮、浜松、福島。特定のブランド餃子──それはホワイト餃子や亀戸餃子のような──を除くとそんなところ。 そのうちのひとつ、僕は福島へと向かっていた。 もともとこの週末は輪行サイクリングを考えてい…

散策途中下車‐18きっぷ鉄道旅・ぐるり上信越(2)

(その1から続く) 長野から3時間近く乗ってきた飯山線をここで降りた。十日町。 (本日のルート) ほくほく線も乗り入れているこの駅ならあとの行程にも幅ができるので途中下車を決めたのだけど、もうひとつ、へぎそばを食べに行こうと思っていた。十日町…

孤高の旅人たち‐18きっぷ鉄道旅・ぐるり上信越(1)

冬の18きっぷの最終回を、鉄道旅にした。 輪行に使うのにはもってこいだし、冬の有効期間は30日間と3シーズンのなかでもっとも少ないから、チャンスを生かしてどんどん輪行に出かけたいところ。 でも僕は鉄道旅も好きで、寒がりも手伝って冬場なかなか…