自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

富士山スカイライン(May-2017)

「富士山は登る山じゃなくて見る山だと思ってるんですよ」 そう僕に言ったのは山歩きを趣味とする友人だ。小さいころから山に親しみ、高校大学とワンダーフォーゲル部や山岳部に所属し、今でも歩いている彼から聞く話ではどうやら縦走を好む。興味本位で連れ…

富士山スカイライン

富士山スカイラインという名は愛称であり通称、正式には表富士周遊道路というのだけど、どうしたって通称のほうが通りがいいし、この道路の構成から言っても「富士山スカイライン」であるほうがいいように思う。 それはこの道にふたつの区間があるから。 ひ…

伊豆大島サイクリング島(May-2017)

5月の快晴の日よりだった。東京や埼玉は30度を超えた真夏日になると言っていた。でも同じ東京都ながら伊豆大島は別。気温予想を見ると、最高気温は24度になっていた。 だから最高の気候のもと、サイクリングできたに違いない。僕は13時過ぎの元町港で…

野反湖分断国道の最果て

分断国道をご存じだろうか。 日本にいくつかある。本来は一本の道路なのだけど、道路をつなぐことができずに、しかしながら双方向から同じ国道番号で届かない空中ブランコで手を伸ばすように、プツリと切れている道だ。 そのほとんどが急峻な山を越えること…

三浦半島海岸線めぐり

三浦半島はこんなにも坂が多いのか──海岸段丘で切り立った半島は丘と断崖で海に張り出している。車で渋滞する主要道路をはずしてゆくと、細く、くねくねと折れ曲がった急な坂道ばかり。上って、下る。また上る。 三浦半島の古くからの沿岸集落は、海岸レベル…

渡良瀬遊水地と太平山謙信平で関東平野の広さを体感(栃木県・埼玉県・群馬県・茨城県)

渡良瀬遊水地は、ここが関東地方であることを忘れてしまう、広大な空間。その中の谷中湖は、沿岸に周遊する広い道路がめぐり、車は通行止め。ウォーキング、ラン、自転車からインラインスケートやクロカンスキーの練習の人まで、思い思いに楽しめる場所。自…

房総の里山を堪能する(千葉県)

千葉県は、里みちと呼ぶにふさわしい小径(こみち)が多く残っている。都市部はさすがに区画整理の波に追いやられているけれど、それでも千葉市にだって多くの里みちが残っているのが驚きである。 このルートは安房の内陸を横断する旅。 保田から鴨川という…

バス路線の魅力

自転車で走っているときにバス停を見つけるとうれしくなる。国道や大きな幹線道路ではそれほどの感慨はないけれど、交通量もあまりない、自分だけが走っているような道にバス停が現れると格別である。その地の生活道路や山越えの一本道なんかだ。 そういう道…

ブレーキシューの交換

目に見えて、ブレーキシューが減っていた。特にフロントブレーキ。知っていつつも、溝を見てまだいけるなと使い続けていた。でもさすがにね、そんな状態になった。この前の雨中のサイクリングがきいたかな。 ブレーキシューを注文して、あとは交換の機会を待…

渋沢丘陵から足柄、金時隧道(May-2017)

パン、という大きな音がその日のケチの始まりだった。 それは初め自分の足もとで起きた音とは思えなくて、広がる畑のなかの鳥獣除けの空砲か、あるいは山のなかでの狩猟の発砲か、そんな遠くの場所での火薬を使った音にしか聞こえなかった。 でもすぐあとに…

三浦半島の行き止まり

三浦半島にはとても素敵な場所がある。そこはみな行き止まりで、主要道からは入り込んだ場所にある。 三浦半島はサイクリストも多く、走っていると何人もの自転車とすれ違い、追い越される。首都圏でありながら風光明媚で、非日常間も味わえる。海なし県に住…

自転車で坂を上るために(2)

前回、自転車で坂を上るためには、慣れと意識を持てるように、坂を上りに行きましょうって話をしました。同じ坂に繰り返し出かけると、それを早く得られますという内容とともに。 速くなる必要のない僕らにとって、上れればいいわけですから、メンタル面が大…