自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

2018-01-01から1年間の記事一覧

涼感素材とか

気温が20度を超えるくらいになると、だいたい夏仕様の服装になる。最高気温が20度ではなくて日中の気温で9時くらいから超えるようならとか、まあわりとゆるい判断なんだけど。僕の場合基本的には寒がりのほうだから、日中の時間別気温推移を見て、これ…

前日光基幹林道逆打ち - その2(Jun-2018)

(その1からつづく) さてどうしたものか。 目の前のきれいに切られた道路舗装面を眺めた。 悩むほどのことじゃない。進める道はない。戻るしかない。どう戻るかだ。 (本日のマップ) (GPSログ) 前日光基幹林道の各線を走るため、今朝足利をスタート…

前日光基幹林道逆打ち - その1(Jun-2018)

動機は何だろう。いやあのとき逆に切り捨てた判断はなんだったんだろう。 先月、大間々から渡良瀬川沿いをさかのぼり、草木ダムから三境林道を走ろうと思った日──突然の熱にやられサイクリングを中断してしまったけど──、別案としてルートまで用意していたの…

西伊豆・白びわ狩り - その2(Jun-2018)

(その1からつづく) (本日のマップ) (GPSログ) ◆ 食事は、僕らも調べていた。僕がいくつか目についた店と、かずみっくすが調べてくれた店をポイントとしてGPXに組み込んでいた。加えて白びわ狩り会場の農協のニイちゃんが教えてくれたさくら、松…

西伊豆・白びわ狩り - その1(Jun-2018)

(その0からつづく) 伊豆急でも1、2を争う秘境駅で降りた。稲梓駅。 でもなんだか今日はさわやか過ぎる。 この駅は夏のじりじりした暑さと内陸のむっとするような湿度に包まれているのがふさわしい。そこに列車が来ない限り人工的な音はない。遠く近くで…

西伊豆・白びわ狩り - その0(Jun-2018)

「今年の白びわは6月2日に決まったそうです。空いてますか?」 そうミコシバさんから連絡が入ったのは半月くらい前のことだった。ここのところどうも自転車よりもランのほうに意識が高いようで、おまけに冬に手を骨折してから自転車に乗ることがぐんと減っ…

スミマセン、達成感ってないんです……

タイトルそのまんま。自転車に乗って誰もが口にする達成感。これが僕にはないのです──。 きつく長い坂を上って峠にたどり着いたとき、自分じゃ走ったことのない距離をロングライドしたゴール、ひとりじゃとうてい難しい制限時間のライドを仲間と助け合いなが…

草木ダムとわたらせ渓谷鉄道(May-2018)

しんどくなるほどの熱が出たのはいつぶりだろう。数年前にり患したインフルエンザ以来かもしれない。たぶん微熱はしょっちゅう出している。僕はどうやら熱が出ていても気にしないか、あるいは気づかないでいるから、微熱のときはふだん通りにすごしているの…

安倍峠は通れる!?

かつて、行きたいまま行きそびれた場所として安倍峠の記事を書いた。 もう何年になるだろう。「規制解除未定」を掲げたまま通行規制に入ってしまった。自分自身の記事をひも解けば、2011年とあるから、もう7年になるんだ。 静岡県の梅ヶ島と山梨県の身…

炭焼平山林道(May-2018)

ふだんの暮らしが関東平野のまんなか、市内に標高差もなければ坂道などひとつもない、平皿のうえのようなまっ平らの越谷という土地にあるものだから、山のなか、斜面の途中で農業がふつうに営まれていたりすると驚愕するんだ。農業機械は山の急斜面でバラン…

都内、早朝

朝の5時台、東京・中央通りを走る。 上野、秋葉原、神田から日本橋の各町をへて、京橋、銀座へ。 休日のこの時間は穏やかだ。そしてコンクリートの街なのだと認識する。ふだんなら人や車の量と、それらの分子運動のような全方位への不規則な動きがあるもの…

輪行で、降りる駅、乗る駅

輪行でどこかの駅までアプローチしてサイクリングをするのは、いろんな土地を走りたいから。遠い土地であれば、そこまで走っていくことに無理があったり、それで時間や体力を費やしてしまうわけで、走ることができない場所が輪行によってサイクリング可能な…

路面電車

先週、三遠をサイクリングしたとき、宿泊したのが豊橋。 駅前に出てみると、路面電車が走っていた。 地元の私鉄、豊橋鉄道が走らせているらしい。「路面電車に乗ってきたい」 と、僕はこの旅をともにしていた妻にいった。「どうぞ、どのくらいの時間?」「1…

三遠自転車旅#2浜名湖編(May-2018)

渥美半島でのサイクリングから豊橋で一泊したのち、7時半にチェックアウトを済ませた。国道1号を車で東へ向かう。豊橋のまちは、混雑する車に交じって、路面電車が車線中央部を走っていた。国道1号を走る唯一の路面電車だそうだ。 子供の日、まちを離れ農…

三遠自転車旅#1渥美半島編(May-2018)

どうも気が乗らない。 こんなに遠くまでやってきたのに、自転車に乗る気力が湧き上がってこない。 ◆ この連休、妻が年に数回の自転車に乗る宣言をしはじめ、あわてて知恵を絞って宿泊先も確保できたのが三遠地域だった。二日間の日程で、ひとつは渥美半島を…

出発/自転車を積んで

この連休、自転車に乗る、と妻がいう。 あわてて、行き先を考えて、あわてて、泊まるところを探す。 取れた。 今度はあわてて、ラレーの確認、調整。2台の自転車を準備した。 ◆ あす、渥美半島を。あさって、浜名湖を。そんなプラン。 天気、荒れなければよ…

房総林道カフェ(Apr-2018)

「場所によっては滑落しかねないですから、危ないと思うより前に降りて押しましょう」 「逆にロードでよかったって思ってます。マウンテンだったら調子に乗って、道を外してしまってますよ」 グラベルでも、シクロクロスでもない、純粋なロードバイク。スリ…

湯田中自転車紀行(5)/番外編:輪行旅のたのしみ

自転車の旅を終え、解体した自転車を袋に詰めた。あとは帰るだけ──。 ほくほく線十日町駅から2両編成の列車に乗った。高性能の電車は軽快に飛ばし、魚沼山塊を長い長いトンネルで直角に、最短距離で貫いていく。僕が自転車で走れば、たくさんの時間と労力を…

湯田中自転車紀行(4)/千曲川・信濃川・飯山線沿いサイクリング編(Apr-2018)

高台の、今は機能していない国道から、信濃川の宮中ダムを見下ろしたとき、この飯山線沿いのルートを選択してよかったって実感した。雄大な川の周辺には河岸段丘の平地部に町が連なっている。国道117号とJR飯山線がそれらをつなぐ縫い糸のように、大河…

湯田中自転車紀行(3)/番外編:自転車ごひいきの宿(Apr-2018)

今回の旅で宿泊した、湯田中温泉の旅館、よろづやアネックス。駅前からの、むかしながらの風情ある温泉街の通りを進んだところにある。 17時過ぎ。到着。 僕が自転車を降りると、ガラスの向こうのロビーからUさんが手を振っている。かと思うと手招きをす…

湯田中自転車紀行(2)/二度上峠・鳥居峠・菅平編(Apr-2018)

(湯田中自転車紀行(1)/計画・準備偏からつづく) 高崎駅前にある松屋でソーセージエッグの朝定食を食べながら、僕は今日のルートを確認していた。 高崎から西へ向かい、現れる二度上峠を越えると北軽井沢。そこから嬬恋をへて、いよいよ長野との県境に…

湯田中自転車紀行(1)/計画・準備偏(Apr-2018)

決まっているのは、長野県湯田中の温泉旅館──。それだけ。 あとはすべて自分で考える。セルフ・プロデュース、セルフ・プレイング。 ◆ さかのぼれば2年前、僕には数少ない自転車趣味人が集まる宴に呼んでいただいた。その席で、泊まりでサイクリングなんか…

栃木県道177号から古峯神社へ

意外と無名じゃないんだ、この栃木県道177号上久我栃木線って道──。 とちぎテレビの自転車番組「Ride On!」で、今年のツール・ド・とちぎのコースを走ってみる企画で登場したし、それはすなわちツール・ド・とちぎのコースになっていた。番組内で…

碓氷川・九十九川サイクリングロード

高崎駅から西へ、和田橋を渡ったところからサイクリングロードへ入った。 碓氷川・九十九川サイクリングロード。 江戸川や利根川とはちょっと雰囲気が違う。少なくともトレーニングとか高速走行とか、そういう造りじゃない。散歩している人とか犬を連れてい…

信越本線・横軽の鉄路

はじめて信越本線に乗り、横軽(横川-軽井沢駅間、碓氷峠越えの通称)を越えたのは、小学校高学年の頃だった。そしてはじめて国鉄特急に乗ったのもこのときだった。連休の家族旅行で、父の会社の保養所があった志賀高原を訪れるため、L特急あさまに乗って…

群馬県道56号・霧積温泉(Apr-2018)

その道の名は、北軽井沢松井田線という。 しかしながら北軽井沢周辺を地図でくまなく探しても、56の六角マークは現れない。県道56号は北軽井沢からしばらく、県道54号と重複しているからである。 そのルートははっきりわからない。二度上峠あたりにな…

富士、樹海、湖、白嶺/朝霧・富士西麓・峡南サイクリング(Mar-2018)

「本栖湖にそんなに行きたいのなら、行けばいいんですよ」 と、輪行友人のMさんがいってきた。「行きましょうよ」 僕自身そんなつもりはなかったのだけど、先週、山梨県・陸の最果て、早川町に出かけたとき、どうもあえて本栖湖をやめて(行き先を早川町に…

愛媛に、行きたい

母の故郷が愛媛県松山市だったことから、子供のころは何度も出かけてた。 僕の故郷ではないけど、母に連れられて松山に行くことは、僕にとってもちょっとした里帰りの気分だった。 母が亡くなってからは行く機会もぱったり減り、20代以降行ったことは数え…

陸の最果て/山梨県早川町 - 後編(Mar-2018)

(前編からつづく) 「そうなんです、ここがいちばんの奥地なんです。マイカーは規制されて、先には行けないので──」 山梨県早川町探訪の旅は折り返した。奈良田の集落に戻り、そこで2年前から営まれているという古民家カフェ、かぎやに来た。この地で食事…

陸の最果て/山梨県早川町 - 前編(Mar-2018)

山梨県早川町。 県道の土砂崩れにより孤立──2013年1月、大雪の影響で孤立──2014年2月、台風による大雨で孤立──2014年8月。 五開茂倉林道、丸山林道や夜叉神峠越えなど、他の町からアクセスできるいくつかの林道は存在するものの、どれも通行…