自転車旅CAFE

自転車を中心とした、旅のエッセイ

輪行に使うお得なきっぷ

 輪行でばかりサイクリングに出かけるもので、回数を重ねれば交通費もなかなかバカにならない。だからできる限り交通費を節約してそのぶんをもう一回の輪行旅に使えればいいなと考えるわけである。

 今回は僕が良く使う、あるいは気になっているおとくなきっぷを挙げてみよう。



青春18きっぷ

 言わずと知れたおとくきっぷの代表格は説明が不要なほど。若者の旅を応援する意図で企画発売されたけど、いまや老若男女問わず、レジャー・観光、帰省から出張にまで、幅広い利用者が幅広い用途で使っている。

 JR全路線の普通列車がその日一日乗り放題で、それが5回分付いている。5回分はひとりで5日間に分けて使ってもいいし、同日にふたりなど複数人で使うこともできる。この5回分で11,850円。──つまり1回あたりの交通費が2,370円を超えるとこのきっぷの利用価値が出る。

 発売期間と利用期間が決まっていて、春と夏と冬の3回発売される。

 僕はここ数年、ほぼすべてのシーズン購入している。そして5回をまず使い切っている。使い切らないと損をしてしまう頭があるから、なんとか乗るのだ。天気が悪けりゃ輪行にこだわらず無理やりな鉄道旅を突発計画してでも乗って消化する。使い切れなかったことは2、3度かな。一度は東日本大震災の2011年春のきっぷ。まあこれはやむを得ないね。あとは2度ほどどうしても乗り切れないことが読めて、金券ショップに売却した。いずれも残は1回だったと思う。

 このきっぷで出かけるのは、日帰りで輪行サイクリングを楽しめつつ、ふだんはなかなか行けないような距離にあるところ。たとえばこれからの冬であれば、寒がりの僕は伊豆や房総に行くわけだ。三浦には使わない。三浦だとこのきっぷのメリットが出ないから。だから三浦に使わないというよりは、18きっぷの利用期間中は三浦半島へのサイクリングは計画しない、というほうが正しい。

 日も長い夏は思い切って足を延ばす。上越線を使って清水トンネルを越え、魚沼スカイラインを走りに行ったこともあるし、小出から六十里越もした。長野方面もわざわざ松本まわり──今もう、信越本線まわりでは普通列車で長野には行くことができないし、そもそも横川軽井沢間に鉄道がない──で出かける。東北本線方面で郡山から母成グリーンラインから磐梯レークラインを走ったり、二本松から土湯峠を上って磐梯吾妻スカイラインを走りに行ったこともある。いずれも片道に4時間も5時間も要し、もうサイクリングに行っているのか、鉄道旅を楽しんでいるのかが若ならなくなる。でも、僕はそれもまた楽しい。


休日お出かけパス

 首都圏の近郊区間を網羅するこのきっぷは週末の土日や祝日、連休期間中に利用できるきっぷ。フリーエリアが普通列車に限って乗り放題で、18きっぷと違うのはさらに特急券を買えば特急列車や新幹線にも乗れるところ。

 かつてはホリデーパスの名で一日2,300円だったけど、現在の休日おでかけパスは多少エリアを広げて、それに合わせて2,670円の料金設定になった。

 ちょっと高い。

 輪行の場合、フリーエリアを楽しむ鉄道旅とは違って、片道乗ってのいくら分がどれだけ安くなるかだから、相当遠くまで乗らないとメリットが出ない。

 埼玉県の越谷に住む僕にとって、まず同じ県内が範囲の限度になる高崎線はメリットなし。同様に小山や土浦までしか行けない宇都宮線常磐線もメリットなし。北関東から北関東は移動だけでは利用価値がない。

 南関東や甲信越はどうかというと、まあ少しながらメリットが出る。中央本線は大月まできっちり使えば──大月より先へ行くときは乗り越し精算で対応──ちょっとメリットあり。東海道も小田原まできっちり使えば同様。房総方面は休日お出かけパスになって新たに組み入れられた久留里線を使えばメリットあり。内房線木更津や君津、外房線の茂原や総武本線の成東はメリットが出るだろうか。計算したことがない。三浦はメリットなし。そもそも18きっぷより高いからね。

 なので中央本線甲府方面へ行ったり、東海道線静岡県のほうへ行くときは使っている。もちろん18きっぷ以外の期間でね。18きっぷがあれば18きっぷで行く。


ときわ路パス

 今年になって初めて使い、と言いながら二度も使っているのがこのきっぷ。かつて2,000円だった記憶があるけど、今は2,150円。

 まずネックは茨城県まで行かないと買えないこと。僕の場合、それは取手駅南越谷駅北千住駅からアプローチして「一度取手駅で降りて」買う必要がある。そこまで片道で500円以上の交通費がかかるわけなので、それプラスこの2,150円でメリットが出るかどうかがチョイス・ポイントになる。

 しかしながら茨城県内のJRと民鉄各線を網羅しているきっぷなので、常磐線でいえば日立より北、あるいは水郡線に乗ってどこかまで行けばメリットが出てくる。高萩まで行ったら大きい。

 民鉄に乗るのもメリットが出やすい。関東鉄道常総線真岡鉄道なんかも網羅しているので、それらに乗るとけっこう大きい。今、このきっぷを使って土浦駅発、筑波山縦走ののち栃木県の茂木(=真岡鉄道終着駅)まで走るような輪行サイクリングを検討中。帰りは真岡鉄道関東鉄道常総線で帰ってくればいい。

 でもここまで乗ると、自転車旅よりも汽車旅のほうが時間が長くなるけどね……。


各社株主優待乗車票


 チケット屋(金券ショップ)じゃないと手に入らないこのきっぷは、価格も時価でつねに乗車区間とその運賃を意識して買わないと損をする。

 じっさい僕は東武しか買ったことがない。

 東武でいうと、僕の場合沿線住民なのでメリットは出にくいけれど、それでも日光や鬼怒川まで行くと軽く数百円クラスのメリットが出る。そしてよく使っている。日光をサイクリングしようと思ったらまず東武日光まで行く。東武日光の駅から自転車で奥日光だったり霧降高原だったりへ向かうわけだ。基本的にそんな東武の奥深いところへのサイクリングの計画があれば買ってしまう。期限も長ければ半年(使用期限は6月30日と12月31にやってくる)。そんなわけでまだ期限が残っているころだと、いずれ行けるだろうとついまとめ買いをしてしまう。

 ちなみに東武鉄道以外は買ったことがない。小田急あたりだったら買ってもよさそうだ。


ぐんまワンデー世界遺産パス


 ときわ路パスの群馬県版と言ったところ。

 しかし買ったことはない。

 ときわ路パスと同じ2,100円ながら、JRでは最寄りのエリア駅が深谷。僕がここまで行くには相当の運賃がかかるはずだ。

 あと東武伊勢崎線って手があって、利根川を越えた最初の駅、川俣が最寄りエリア駅になるのだけど、ここを起点にしたところでどこへ行けるんだっていう話だ。たとえば佐野か伊勢崎乗り継ぎの両毛線で新前橋? おそろしい、どれだけ時間がかかるのだろう。川俣駅でこのきっぷを手に入れるために東武伊勢崎線の電車を一本ロストするのも手痛い。東武線の群馬エリアへ行くだけなら、株主優待で全然事が足りるしね。


サンキュー・ちばフリーパス


 千葉県全域──北総から銚子、九十九里、外房内房から最南端を含む全房総半島──のJRに加え、銚子電鉄と小湊・いすみの民鉄各線に乗れるゴージャスきっぷ。

 しかしながらこれも一度も買ったことがない。

 もう何年も前になるけれど、「パワフルスマイルちばフリーパス」という、エリアは同一のきっぷを企画していたことがある。これは一日有効で、18きっぷよりも安い1,800円だった。驚きの安さのきっぷだった。安房鴨川まで行き、館山から帰ってきても1,800円。僕のエリア最寄り駅は南流山だったから武蔵野線ですぐ、大した追加運賃じゃなかった。何べんか買って使った。

 サンキュー・ちばフリーパスになって帰ってきたこのきっぷは、二日間有効になり値段は倍以上、タイトルどおりの3,900円。

 さすがにこの値段だと買わないなあ。二日間もいらないし。


▼ これはそのときのパワフルスマイルちばフリーパス


 企画きっぷが多いから、知らぬ間にモデルチェンジしたり、廃止になっていたり、新しいきっぷが出たりとちょこちょこ変化がある。ときどき探してみてはおおっと言いながら頭の片隅に置いていく。でもふつうに乗るのとどちらが安いのかなんて計算を始めると途端に面倒になるよね。さらにはわざわざ途中下車して買わなきゃならないきっぷだったりすると、当日も手間かかるしね。