自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

房総の里山を堪能する(千葉県)

 千葉県は、里みちと呼ぶにふさわしい小径(こみち)が多く残っている。都市部はさすがに区画整理の波に追いやられているけれど、それでも千葉市にだって多くの里みちが残っているのが驚きである。

 このルートは安房の内陸を横断する旅。

 保田から鴨川というと、長狭(ながさ)街道と呼ばれる県道34号が大動脈として走るが、その周辺に多くの里みちが張り巡らされている。大山千枚田や房総の最高峰、愛宕山の裾をめぐっていると、安房の里を実感できる。

 それは、日常生活とは異空間でありながら、「関東とは思えない遠い場所までやってきた」というよりは、「来たことがないのになんでこんなに懐かしいんだろう」っていう雰囲気。その異空間には、少し走ればすぐに気分も身体も馴染むに違いない。

 最近じゃここの地と残った建物を生かした古民家カフェも増えていて、いちいち休憩したくなってしまう。

 内房の海から出発して、山里を縦横にくぐり抜けたあと、最後に外房の海を眺めるのは僕の好み。海への夕日を楽しみたい人には逆ルートもあり。


 長くて高い峠はないけれど、全般的に起伏が多く、勾配も急な場所がある。距離は長くないからきついところは押して行こう。

 佐久間ダム周辺は水仙の時季、大山千枚田はおおむね春から秋にかけて人出が多くなる。人を避けたいなら晩秋か水仙の終わった冬か。

 僕は田畑に恵まれたこのあたりを訪ねるならやっぱり、稲がそろう初夏から夏かな。



地図

ルート(GPSies)


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(みどころ・立ち寄りどころ)


保田小学校:廃校になった小学校を改装し道の駅に。物販や食事のほか宿泊もできる。食事は給食!

Cafe SASAYA里山の陶芸ギャラリー&カフェ。

棚田カフェ:地元の食材を使った個性的な食事どころ。

長狭の町:昭和のままの町。県道34号と国道410号との交差点「長狭中学校前」を中心に、商店や食堂などあり。

和菓子さが野東京港区白金から移転してきた和菓子店。人気の豆大福、大納言最中のほか、季節によりかき氷が食べられる。

安房天津の海岸:海沿いの細道を自転車で楽しめる。太平洋を望む葛ヶ崎、二タ間海水浴場の砂浜、明神の鯛など。