自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

会津若松・七日町

 福島県会津若松市に七日町という街がある。なのかまちではなく、なぬかまち、と読む。いかにも会津らしい語感が好きだ。

 この七日町に立ち寄った。

 

 僕は福島県がどうやら好きなようで、自転車旅だけじゃなく鉄道旅、車を含めてけっこうな頻度で出かけている。とくにこの会津地方は訪れたり通り抜けたりした回数ならなかなかのもの。

 会津若松市内だって何度も来て何度も通過しているのに、ここ七日町は一度も立ち寄ったことがなかった。会津若松駅から只見線でひと駅乗っただけの、すぐの街だからだろうか。──いやでも僕は飯盛山もさざえ堂も行ったことがないのだ。会津若松はそれこそ何度も来ている場所だから、そういう場所に行っていないのは僕自身の観光の選択に問題があるに違いない。

 

 

 この七日町、駅から東へ延びる道に古風な街なみが残っていた。

 雰囲気もよくて、カメラを提げて写真を撮りながら歩いている人が多い。建物や、その入り口や窓、屋根を取っている人もいる。街なみを写している人もいる。なるほどそういう人がたくさん歩いていると僕も散策したくなった。じっさい江戸から明治、大正昭和といろいろな時代の建物が混在するように建っている。

 僕はこの街を、こづゆをはじめとする会津の郷土料理を食べるために訪れた。店近くのコインパーキングに車を止め、店に入って食事をした。食事を終えると車に戻り、次の行程へ向かった。

 街なみは、ハンドルを握ったまま外の風景として眺めたもの。うしろ髪を引かれるようそうそうに街をあとにした。

 この街の成り立ちは何なのだろう。なぜ七日町が風情を色濃く残しつつ今に至っているのだろう。なぜ若松じゃなく鶴ヶ城下でなく、ここなのだろう。

 知りたい欲求、見たい欲求、歩きたい欲求が高まったまま僕は街をあとにした。

 

 行きたいなあ。

 会津若松まで輪行して、市内をまわるサイクリングにするのがいい。距離を走るとか欲張らずに。そのときに飯盛山まで行ってもいいかもしれないね。

 

(七日町の街なみ・渋川問屋)

(こづゆ、ニシン)

(ニシン、ぼうだら)

(七日町パンフレット)