自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

両面ビンディング

 両面のビンディングペダルが届いた。

 ペダルは今、シマノのPD-A520というペダルを使ってる。SPDを使うタイプで、見た目ロードっぽい片面のペダルだ。

 

 いち時期、マウンテン用の両面SPDを使っていた。今のPD-A520から付け替えて使ったことがある。それまでからすればもうビックリ、踏めばはまる。片面SPDにあるような表裏の確認とか、そのための蹴返しとか、いちいち止まるたびにしなくていいんだ。

 こんな便利なんだったら最初から使っていればよかったよと吹聴していたら興味を持った知人が「試しにつけてみたい」って言って、一緒に走った一日、僕の両面SPDをつけてあげた。僕はそれまでの片面で走った。

 知人もその楽チンさに驚き、喜んで一日乗っていたのだけど、いったん乗って帰ったあとその知人とは疎遠になってしまった。音信不通ということはないのだど、僕のペダルは元のPD-A520に戻ってしまった。──よくある話だ。

 もう5年どころかそれ以上たつと思う。

 

 

 今つけているペダルもあるし、どうにももったいない気持ちが先立って、わざわざあらためて買う気にもなれず、ずっと片面ペダルである。蹴返しは今でもとても面倒だけど、それが両面を買う動機までは至っていなかった。

 

 ここにきて装着の遊びが多くなってきた。

 クリートがだいぶ削れてきたのだ。

 僕は輪行を頻繁にするし──というか自転車に乗るときの大半は輪行だし──、観光しようと歩きまわったりもするから、どうしたって削れがちだ。かつてSPD-SLを使ったことがあるのだけど、あのプラのクリートは半年もたたずしてペダルにはまらなくなってしまった。引っかかる部分がすべて削れてしまったからだ。

 それに比べるとSPDはクリートが金属製で、しかも靴の奥に埋まっていて路面との擦れも少ないので、SPD-SLに比べたら断然削れにくい。とはいえ何年? 3年? 4年? それ以上?

 クリートを買って交換しなくちゃなと物色し始めたところ、イギリスのwiggleでこの両面のSPDペダルが破格で出ていた。

 ペダルにはクリートが付属している。単体で買うクリートに少しの金額を足すと両面ペダルが手に入るとあればさすがに、クリートを買うノリのまま買ってしまってもいいくらいだと思った。

 そして買った。

 

シマノ PD一M520)

 まだつけていない。これから。

 ささやかながら楽しみ。