自転車旅CAFE

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JR只見線に沿って

 只見線の全線が、再び手をつなぐことはあるのだろうか。

 そう、長いこと思い込んでいた。


 ──あるのだ。

 2011年の新潟・福島豪雨によって大きな影響を受けたこの路線は今もなお、只見駅会津川口駅のあいだが不通のままだ。日に何本しか走ることのない閑散ローカル路線は、その復旧試算額の大きさもあって、このまま廃線になるのではないかと憶測が飛んでいた。

 福島県はかねてからこの路線の復旧、全線存続を望んで運動を行ってきた。それが今日(2017/06/19)実を結び、JRと県とで復旧の基本合意書が締結された。


 JR只見線福島県会津若松新潟県の小出を結ぶ135キロにおよぶ路線だ。途中、六十里越という名の峠で県境を越える。

 僕はかつてこの只見線に沿って走ったことが一度だけある。そのときの動機は只見線の沿線を楽しむというより、六十里越に出かけるというものだった。

 小出駅を出発点にした。只見線のことは詳しく調べていなかった。六十里越を越えるために使う道は国道252号。この道は只見線と寄り添いながら、会津を目指す道だった。

 小出で魚野川からわかれた破間川(あぶるまがわ)と只見線、そして僕の走る国道252号が、入り組み絡みながら県境越えを目指す。鉄道、川、道路──僕の大好きな構図だ。

 ルートを進むうち、僕はやがて只見線の駅に立ち寄っていくようになる。すべてではないけれど、ルートから大きく外れない駅を眺めるために、駅前に入っていくようになった。いよいよ六十里越を越えようかという大白川駅には、立ち寄って、待合室であてどもなく休憩もした。

 只見線に沿って走るのもいい、と思った。


 六十里越を越えて福島県只見駅に着くと、そこで只見線は切れていた。時刻表は小出方面のみで、会津方面は会津川口までの代行バスが運行されていた。どうなっているのだろうと興味ばかり湧き上がり、しばらく線路を探しながら走った。おおかた、豪雨で線路のうえに積もった土砂を撤去できずにいるのだろうと考えていた。

 しかし、レールはあるところで物理的に切れていた。


 引き続き道路は、小出から変わらず国道252号である。福島県に入っても只見線の相方は変わらない。

 それを走って、もう只見線の復旧はないのではないかと、心のなかで感じた。福島県に入ってからは尾瀬沼に端を発する只見川。これを左岸右岸と渡るいくつもの鉄橋が、流されてなくなっていた。両端からレールが延び、あいだが刀で切られたように、なくなっていた。

 僕はその日、一日だけのサイクリング計画だったため、会津川口駅から只見線輪行した。六十里越を走るという目的は達したからだ。

 でも、この只見線沿線をひととおり、走るのもありなんじゃないか、とその日のサイクリングで思った。

 一日じゃ足りない。途中一泊、必要だ。


 今日、復旧のための一歩が踏み出された。全線を線路に沿って走れる日が来る可能性を、ぐっと引きよせた。


地図

ルート(GPSies)