冬とロマンスとカツオと旅と
冬が来た。冬はいい。静かでいて華やかな季節だから。夏のように賑やかで開放的で爆発的なエネルギーはともするとやかましく思えるけど、冬の質素で清楚で、そのうえにある華麗さははかなさをともなった優雅。空気が澄み、輝くものが輝き、目に届くすべての色や光が洗練されている。混じり気がない。枯山水のように静寂の内から心に響く波動を伝えてくる。そんな冬が来た。
だから僕は東京駅で電車を降り、イルミネーションの光がまばゆい丸の内仲通りを歩いた。
今日、ふたつのロマンスに触れた。実りを迎えた恋と生まれたての恋。後者は、消えてしまいそうなもろさを一片に持ちつつも、前途が洋々と、どこまでも抜ける冬の青空みたいだった。高層ビルからどこまでも見通せる夜景のようだった。ロマンスは、少しだけきゅっとなる新鮮な気持を覚えさせる。
自転車のフォロワーさんたちが企画した忘年会。イルミネーションから何度か迷いながら店に着いた。土佐料理、銀座・四万十川。わら焼きの分厚いカツオが香ばしく、なんとも美味いのだった。過ぎる時間と尽きぬ話に、また旅をしたいって思った。
お誘いいただき本当にありがとうございました。とても楽しい時間を過ごしました。