自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

遠近両用のアイウェアをかけてみた

 先日できあがった、遠近両用レンズを入れたスポーツグラス。インナーレンズをはめ込むタイプのメガネは初めいくつかの不安を感じたけど、思いきってしまえば「どうにかなるだろ」って気分になれた。結局1万5千円かかって作ったメガネを、せっかくのサイクリングの機会に使わないってどうよって、つまりはそんな貧乏性──。

 輪行サイクリングで山梨県へ。御坂峠を越えて河口湖、山中湖を経て三国・明神峠を越えて静岡県駿河小山へ走るサイクリング。工程は丸一日。ダメならダメでちょうどいいテストケースなんじゃないかな。


 その日は東武線の始発電車。駅に向かう道は真っ暗だ。

 このアイウェアには5種類のアウターレンズが付いているのだけど、夜やトンネルを走る可能性があるからもっともクリアに近いレンズを付けている。

 まず暗いなかで走る分には何ら問題がなかった。その日ほかにも御坂峠の御坂隧道や、河口湖周辺のいくつかのトンネルでも不安なし、夜になった帰宅時も大丈夫。クリアに近いとはいいつつも若干色の付いていたレンズなごら、暗い状況でも大丈夫だった。


 朝、輪行しつつ思ったのは、意外に重いなってこと。でも度なしスポーツグラスとはわけが違う。度入りのメガネは重たいものだし、インナーレンズのちいさなサイズだったとしてもそれなりに重みが出るってことだ。一日かけていることで負担にならないかが気になった。


 期待していた風の巻きこみを防ぐこと。これを何とかしたくて手に入れたわけだから、解消できないと……。さすがに顔とアウターレンズとの距離が、別に持っているスポーツグラス──レンズ跡が頬に残ってしまうほど顔に密着する、このときはコンタクトレンズを使う──とは異なるから、その完璧さは求めないけど、ふだんのメガネをかけて乗っているときと同じじゃさすがにね。

 御坂峠の下りや明神峠の下りを走ったけど、大丈夫だった。悪くない。ただ双方とも細かなカーブが続いたり、勾配が急だったり、スピードが出にくい道だったから、参考値ってくらいかもしれないけど。


 いちばんの不安だったゆがみによって気分が悪くなるってことはなかった。確かにレンズ両端に向かって湾曲の多いスポーツグラスだけに横に目線を走らせて見ると気分が悪くなりそうだけど、じっさい一日サイクリングをして、そんな目線の走らせ方はしないんだろう。気分が悪くなることはなかったし、ゆがみでバランスを崩したりまっすぐ走れないこともなかった。

 これに関して言うと、レンズを作るときに不安に感じて、結果近め(老眼用)の矯正を弱くしてしまったの今になって残念。やっぱりスマートフォンの画面を見るのにつらさがあるんだよね。


 サイクリングに代わりのふだんのメガネを持っていったわけじゃなかったから、このスポーツグラスを一日かけっぱなし。一日を終えて、朝感じた重みでどこかに痛みが出たりすることはなかった。これはよかった。耳も鼻も大丈夫。


 第一段階クリア。しばらく使ってみようっと。