自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

輪行で行ける駅、行った駅

 輪行するなら普通列車のほうが好きだ。──僕の場合。
 普通列車なら乗る列車が決められているわけでもないし、乗る車両や座席も決められているわけじゃない。特急や新幹線で自転車を置く場所が確保できて席に着くことができればそれは申し分ない。気分も体力的にも楽。だけどそれに至るまでのそわそわといったらなくて、対してその場その場の対応でどうとでも身動きが取れる普通列車が好きだ。
 でも欠点を挙げるとするならば、遅い・・ってこと。
 こればっかりはどうしようもない。

 

 だから行程上時間に縛られるときは僕も新幹線や特急を使う。全体行程と自転車の距離を調整して計画はするけれど、ある程度の距離を走らなきゃならないとなれば、どうしても時間が必要だから。走る距離が短ければいいけど、お昼に着いてそれから70キロ80キロ走りますって行程はさすがにちょっと……。
 とはいえ、思い返してみるとこれまでけっこうな場所まで普通列車だけで輪行していた。ふつうの人なら絶対にしないって場所まで。それは、そこに行くにしたって(つまり、輪行じゃなくたって)普通列車で行くなんてありえないでしょ、そういう場所。
 輪行は本来、遠い地をサイクリングしたくてそこまでの移動を交通機関に頼るのだから、自転車に乗る人、自転車に乗る目的から考えれば明らかに余計な事・・・・だ。輪行なんて短ければ短いほどいい。しなくて済むならしないほうがいいわけだ。だから僕のように何時間も・・・・列車に揺られているというのは「まともじゃない」わけで、もはや自転車に乗ることが目的なのか輪行をすることが目的なのか、わからなくなるときがある。
 まあいい。そういう事。真似はお勧めしないし(誰もしないと思う)、あくまで雑談のスタンス。──あとね、基本的に好きなんだよね、列車に乗って車窓を眺めていることが。

 

 

 もちろん日帰りサイクリングか宿泊するのかで輪行に割く時間も変わってくる。宿泊する日なら慌てて走らなくていいって思うから午前中まるまる移動に割くこともあるけど、日帰りだったらそういうわけにはいかない。

 

 さあ、どこまで行ってるかな(ダイヤは2020年3月改正ベース、時刻は時刻表と同じhmm表記です)。

 

東海道線方面】
 僕が乗れる東海道線は東京駅610発熱海行きが最も早い列車。この列車は実は僕にとってギリギリ、乗れるときもあれば乗れない時もある。この3月14日のダイヤ改正で610発になったのだけど、それまでは607発だった。その頃はもっと確率が低く、目指しても5割程度しか乗れなかった。それでもいつだってこの列車に乗る前提で考えていた。

  • 三島:814、沼津:820、富士:845、静岡:920

 熱海で802発の静岡行きに乗り継いでこの時間である。中伊豆や西伊豆を目指すときは三島や沼津を使うことが多い。さった峠を目指すときは蒲原や由比まで行くかな。富士川を渡るのが大変だから。
 あとこの列車からさらに駿豆線(三島乗り換え)や身延線(富士乗り換え)に乗り継いだりもする。

 身延線は接続列車が西富士宮行きなので、その先まで向かうとなると富士で一本待つ。行ってせいぜい南部町の内船くらいまでかな。そこより先になると、甲府から来ることを考え始める。
 熱海から伊東線伊豆急に向かうときは熱海826発のリゾート21。

  • 伊東:849、河津:940、稲梓いなずさ:947、伊豆急下田:957

 思いのほか時間がかかる。でも伊豆にはよく使う。伊豆急下田まで乗ることはないけど、伊東や稲梓がよく降りる駅。稲梓なんておそろしいほど何もない無人駅だけど、バサラ峠を越えて松崎へ行き、そこから南伊豆や西伊豆海岸線の北上をするときにかなりの頻度で使ってる。
 あと宿泊サイクリングで武豊(愛知県!)と岐阜(岐阜県!)まで、普通列車輪行したことがある。

  • 武豊:1253、岐阜:1234

 さすがに遠かった。武豊はここから知多半島をぐるりと回り常滑まで。岐阜からは大野や谷汲を経て樽見まで行った。

 

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【中央線方面】
 武蔵野線が朝5時前から走りだすのでこれが好都合。中央線を狙うときは武蔵野線の駅まで走ってから輪行する。これで高尾614発の松本行きに乗り継げる。

 これはけっこう驚き。伊豆の河津に行くよりも早く、おまけに乗り換えなしで松本までたどり着けるのだから。
 松本からさらに大糸線にも乗り継いだこともあった。

 信濃大町から仁科三湖や安曇野をのんびり巡った。ちょっとスタートが遅いけど、それでも半日存分に楽しめた。
 ちなみに松本から篠ノ井線に乗り継いで長野も目指せるのだけど、松本到着以降の9時台、10時台に普通列車がなく、1109まで1時間半待たされる。だから篠ノ井線への乗り継ぎはしたことがない。あと、長野まで行くとなるとさすがに新幹線を使っちゃう。
 それと塩尻では中央西線に乗り継げる。野麦峠(藪原下車)とか開田高原木曽福島下車)とか昔から行ってみたいのだけど、塩尻で1054まで1時間半以上待たされてしまうのでなかなか手が出せずにいる。木曽福島は特急しなのが止まるので、塩尻1003発のしなの6号への乗り継ぎならまあいいかなあとは思うけど。
 あと甲府から身延線に乗り継ぐのは750発鰍沢口かじかざわぐち行き。そのあと(というかその先というか)富士行きは906までないので、鰍沢口より先に行くときはもっとゆっくり家を出てくる。その先へ行くことのほうが多いけど。

 市ノ瀬で降りて本栖湖へ入り、富士五湖を巡った。下部温泉からは早川の最果て行き止まりサイクリングをした。いずれにしても時間が遅いね。身延線はどうしてもアクセスに苦慮する。三石山周辺の林道にも興味を持ってるんだけど、この身延線がネック。

 

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高崎線から信越線、上越線方面】
 高崎線下り始発列車に乗ると、終点の高崎から信越線や上越線吾妻線へと枝葉が広がる。ただしすべてこの高崎線の下り始発列車ありきである。始発を逃すと高崎からの乗り継ぎ列車がすこぶる良くないので。

 吾妻線は現在は長野原草津口止まりだけど、かつては万座・鹿沢口行きだった。これに乗って国道標高第一位の渋峠に行った(群馬大津から走ったけど、もちろん長野原草津口からでも何ら変わらない)。国道標高第二位の麦草峠へは、信越線へ乗り継いで横川から行った。上田から別所温泉を経て松本へ出かけたときもこの乗り継ぎで横川が起点だった。
 さらに水上から上越線で関東を脱出する乗り継ぎができる。

  • 石打:908、六日町:923、小出:943

 水上828発の長岡行きは、一日に5本(臨時が出ると6本)しかない清水国境越えをする列車の始発列車・・・・だったりする。めちゃめちゃ遠くまで乗っていくのだけど、それでも小出に着いて、伊豆の稲梓に着くより早いのだ(伊豆が時間かかるだけなんだけど……)。これまでけっこうこの列車を使ってて、石打や六日町から魚沼スカイラインに行ったり飯山線沿いの津南・十日町地区に行ったりしてる。小出からは六十里越で福島県に抜けた。同じ小出から枝折峠・樹海ラインを走るルートもありなんだけど、まだ行ってない。
 乗り継ぎが多くて大変だけど、かなり遠くまで行けて重宝している列車。

 

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東北線方面】
 宇都宮線下り始発列車は高崎線のそれの3分前を走っている。栃木県内に行くときはもう少しゆっくり出ることが多くて、この列車に乗るときはたいてい、一気に福島県を目指す。白河、郡山、あるいはその先や磐越西線までも。磐越西線は郡山での30分以上の待ちと、足が遅いのが難点。

 磐梯吾妻スカイライン(土湯峠、浄土平)へ行ったときはこの乗り継ぎで二本松で降りた。母成グリーンラインから磐梯吾妻レークライン、磐梯ゴールドラインに行ったときは郡山で降りた。
 さらに、蔵王へ行こうと宿泊サイクリングに出たときは白石まで行った。

  • 白石:1110

 さすがに遠かった。でも武豊や岐阜よりは早いし、信濃大町に行くのとあまり変わらない。乗り換えが多くてつらいね。

 

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常磐線方面】
 常磐線は北千住601発の取手行き快速に乗ると、我孫子発の高萩行きに乗り継げる。我孫子から出る土浦・水戸方面って一日にこれ一本でなかなかのレアキャラだ。

  • 土浦:659、水戸:744、高萩:851

 高萩から花貫渓谷周辺の北茨城の山里なんかにいい(僕が行ったときはひとつ手前の十王で降りた)。
 高萩より先に行くなら水戸乗り換え。水戸を35分後に出るいわき行きが、高萩では15分後まで詰めてくる。だから水戸で降りてモーニングを食べたっていい。これ、先行の高萩行きが勝田で13分、日立で6分とか、大休止があるから。

  • 大津港:920、湯本:940、いわき:950

 さすがにその先は未開、接続で乗ったことがない。現ダイヤでもいわきで1時間以上空くしね。
 あと水戸から久慈川沿いに入っていく水郡線常陸太田に行くならともかく、久慈川を楽しもうと思うと郡山行きが923までないんだよね。モーニングどころかランチまで食べられそうだから、水郡線を目指すときはもっと遅い常磐線で出てくる。

 水郡線を使うときってよほど行っても常陸大子まで。それでも10時半をまわるから、その先なら東北線の例えば黒磯や新白河から走るとか、サイクリングルートのほうで何とかするよう考えるかな。どうしても水郡線に乗る必要があるなら、郡山918発の水戸行き上りを使うと思う。

 

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 もはや汽車旅ついでに自転車を持って行ってるっていうほうが体を表してるね。
 汽車旅プラスサイクリングっていうスタイルに、いい言葉ないかな。