自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

Claris(クラリス)が来たよ

 ガタガタになってしまった後ろ変速を刷新するために意を決し、クラリスの変速周辺一式を注文した(→Claris(クラリス)にしたよ )。今回はどうしても時間が取れず、自転車屋さんにその交換をお願いしていたのだけど、晴れて僕の自転車はクラリスになって帰ってきた。
 
 クラリスは現在、シマノのロード系コンポーネントの最下級グレードに冠せられた名前で、唯一の8速仕様である。かつてはこのグレードに名前などなく、入門用完成車に多くつけられたSORAの下のグレード、型番2200のコンポーネントだった。これをあえて注文する人もまずいなかったんだろう。

 ところで、入門用っていう呼び方、僕はあまり好きじゃない。もちろん自転車メーカーもそんな言い方はしない。書籍やウェブでの自転車解説や評価、レビューになると入門用、エントリーモデルという言葉が飛び交う。僕は値段も含め、どんなグレードの自転車であれ、自分に合ってずっと乗っていられるなら、一生ものの自転車であっていいと思うのだけど。

 話を戻そう。
 いつからかこのグレードに名前が付けられた。クラリスClaris)。

 すでにひとつ上のグレードのSORAは9速に変わっていて、残る8速はこれだけになっていた。SORAが9速化されたとき、8速はこれを限りになくなっていくのかと思いきや、グレードに名前が付けられ、そして確固たるいちグレードになった。

 2200系が2300系になり、2400系になったときのことだ。
 
 
 僕が頼んでいたクラリスは、R2000系といった。
 今までシマノの「R」がつく型番は、補助モデルというか、グレード外のものだった。変速段数の異なるモデルを補ったり、旧モデルのグレード残しだったり、そんな位置づけで、たとえばクランクセットのFC-R600だったり、デュアルコントロールレバーのST-R600だったり。
  しかしこのR2000系は、歴然とした新クラリスの型番。そしてコンポーネントで構成される系統の番号である。いち製品の型番じゃない。どうやら9速のSORAもR3000系になったみたいだ。
 R2000系は4月に発表されたばかりの新しいもので、自転車屋さんも触ったのは初めてだったと言った。まだ完成車に搭載されているクラリスは2400系というのが現状のよう。
 そんなわけで僕はR2000系クラリスになった自転車を持って帰ってきた。そして、まず思ったのが、
 「ティアグラそっくりじゃないか」
 だ。
 家でもう一台の自転車、ラレーのクロモリロードの横にに並べて置いてみたのだけど、これについているティアグラのデュアルコントロールレバーそっくりなのだ。

  変速をその場で操作してみる。──と、そのタッチもまたティアグラそのもの。握った感触も一緒だ。形もまったく一緒に見えるし、そうなのかもしれない。

 
 今回、僕は組み入れなかったけれど、クラリスのクランクセットは上位と同じ4アームと2ピース構造(中空のホローテックⅡではないらしい)になり、これも上位志向に変わった。
 デュアルコントロールレバーも、今まで「触角」などと呼ばれていた、シフトケーブルの取り回しもハンドル内蔵になった。
 あまりにもよく似ているものだから、SORAのR3000系もシマノのページで見てみた。これもまた良く似ているじゃないか。
 まるでこれらすべてがティアグラで、その10速用、9速用、8速用とラインアップされているようにさえ見える。あるいは実際そうなのかもしれないね。
 
 これから、まあすぐにメジャーになると思う。低価格の完成車にこぞってクラリスR2000系がつくだろうから。それまでのほんの短いあいだ、僕はこの目新しく珍しいコンポを先駆的に楽しもう。
 しばらく調整しながら自転車に合わせていく。それと同時に自分も慣れていく。そしてまたクラリスについても書こうと思います。