自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

GIOS GRESSの8速化

 このまえ、ぽろっと書いた「転がってるSORAに換えちゃうのも手だな」(記事:デュアルコントロールレバーのプレート )の言葉がもう自分のなかでひとり歩きしてしまって、「いいよいいよ、もう8速にしちゃおうよ」という意思が押しとどめられなくなった。

 

 たぶん、僕は8速が好きなのだ。

 

 僕の長年の潜在意識だったかもしれないとはいえ、カーボンのロードバイクのコンポをあえて8速にするなんて人は皆無だろう。最初から完成車として8速が組まれているならともかく、10速を8速にするなんて。コンポで言えば105をSORAにグレードダウンするのだ。

(ずいぶんむかし、最下級コンポに「クラリス」の名が冠されたときに書いたブログが潜在意識を物語っているに違いない)

 

 転がっている古いSORAのデュアルコントロールレバーや、ティアグラのリアディレーラーを使うとはいえ、スプロケットとチェーンはもうない。そこでアマゾンで注文する。このとき、さすがに「本当にやるの?」と自問自答し、ちゅうちょしたのだけど、結局注文した。8速のチェーンは1400円台だしスプロケットも2000円と少し(歯数が別の選ぶともっと安いということも知った)。なにもかも105の半分に近い。消耗品が安いというのは、乗ることに徹することができるよなあなどと考えるのだ。

 アマゾンは僕の勢いをまるで後押しでもするように、翌日に配達してきた。翌日と言っても前夜遅い時間に注文したものが夕方に届くという、信じがたくもある配達だ。ここまで急がなくてもいいと思うのだけど……。

 届いてしまったのなら、と工具箱を引っ張り出した。

 これによって、僕のロードバイクの構成はこうなる。

 

(現)

 ・STI(※):5600系105/ST-5600

 ・クランクセット:FC-R600

 ・前後ブレーキ:5600系105/BR-5600

 ・Fディレーラー:5600系105/FD-5600

 ・Rディレーラー:5600系105/RD-5600

 ・チェーン:アルテグラ/CN-6701

 ・スプロケット:4600系ティアグラ/CS-4600/(12-25)

 ・ホイール:WH-RS10

(新)

 ・STI(※):3300系SORA/ST-3303

 ・クランクセット:FC-R600

 ・前後ブレーキ:5600系105/BR-5600

 ・Fディレーラー:5600系105/FD-5600

 ・Rディレーラー:4400系ティアグラ/RD-4400

 ・チェーン:クラリス/CN-HG71-8

 ・スプロケットクラリス/CS-HG50-8/(12-25)

 ・ホイール:WH-RS10

 ※STI=シマノデュアルコントロールレバー

 

 使えそうなパーツはそのまま残したし、高いものの交換をするならそもそもやめようと思っていたから、じっさいに換えたものってデュアルコントロールレバーとリアディレーラー、スプロケットとチェーンだけだ。

 フロントディレーラーは変速移動量が変わらないだろうからOKと判断、ブレーキは引き量が同じで信頼できる105のまま。クランクセットも同じ二枚で問題ないだろう(逆の8速用クランクセットを10速で使うのは、チェーンの幅の関係で問題があるような気がする)。

 

 わずか4パーツの交換だけなのに、ずいぶん時間がかかった。チェーンとスプロケットの交換だけならすぐなのだけど、デュアルコントロールレバーを換えるということは、ブレーキとシフトの計4本のケーブルを一度すべて抜いて張りなおさなきゃならなくて、加えてブレーキのケーブルを張り替えるということはバーテープをはがさなきゃならない。

 そんなわけで結果的に自転車をまる裸にするほどの手間がかかった。

 

 ブレーキとシフトのケーブルは、張り直して間がなかったので、上手く再利用できたらいいなと、先端部がばらけないよう気をつけながら作業していたから、それで余計に時間がかかったかもしれない。新しいものに張り直しが必要になったときのため、念のため2本ずつ注文はしていたけど。

 結果的にすべて、再利用ができた。めでたしめでたし。

 

 しかしながら、さすがシマノ、きちんと作られているなと感心する。

 組み上げたデュアルコントロールレバトとディレーラーは、調整なしにきちんと動いた。かつて自転車に組まれていたときのままだから、調整がなくても使えるのは理屈上言えるけど、本当にそうなるとは思わなかった。スプロケットに対するリアディレーラーの稼動量の調整くらい、絶対必要になるだろう点っていたから。

 

 バーテープは、やめた。力尽きたのでまたの機会にしよう。

 

 

 最後、全ギアにチェーンを行きわたらせて変速の確認をする。すると、フロントディレーラーまわりからガラガラと音のする組合せがある。──トリム位置の調整とか、しないとだめなのかな。

 そう思って詳しくチェックしていると、音はフロントディレーラーとの擦れではなくて、インナーギアにかけたチェーンがアウターギアに擦れて音が出ているのだ。組合せはインナー×トップ。

 動きを見ていると、ときにアウターギアに乗り換えようとさえしている。乗り換えないまでも、インナーギアから斜め方向に張られたチェーンは、アウターギアの壁にこすれて音が出ているのだ。

 これって、FC-R600っていうクランクセットが10速用だから? もしかしてスーパーナローチェーンの使用が想定されていて、インナーチェーンリングとアウターチェーンリングのクリアランスが8速用に比べて狭いのかな。だから太い8速用チェーンを入れると、チェーンラインが斜めになるインナー×トップではアウターチェーンリングにこすれてしまうのだろうか。

 んんー、軽い行き詰まり感。

 

 なんとかならないかと思いをめぐらせる。今のところ思いつくのはこんなところだ。

  ①すべてもとの5600系105の10速に戻す

  ②8速用クランクセットを買う

  ③インナー×トップを使わずに走る

 まず①は嫌だ。悔しすぎる。ここまで作業して全戻しするのは精神的苦痛だ。この手の作業をしたことがある人なら理解してくれるかも。とにかく①は敗北感が大きすぎる。

 じゃあ②だが、8速用クランクセットってクラリスしかないんだよね。もちろんコンポグレードとしてクラリスは僕の場合、全然オーケーなのだけど、クラリスのクランクセットってBBがオクタリンクを使うようになっている。今さら感というのはない(僕は極論、スクエアテーパーでもいい)けれど、今ついているホローテックⅡのBBを外してオクタリンクを入れるまでの気持ちはない。それにオクタリンクをあつかえるコッタレス抜きも持っていない。だから治具まで用意する必要がある。

 なので結論的には今の僕の頭のなかは③。

 まずはこれで走ってみて、インナー×トップの必要性がどうしてもあるなら考える。それ以外の組み合わせは、手回しで確認している分には大丈夫そうだから。

 そうして明日以降の、バーテープを巻いてしまおうという気持ちにつなげた。

 

 

 それからしばらくして、もうひとつ案を思いついた。

  ④チェーンのみ、10速用を使ってみる

 つまリスーパーナロー用の仕様で、太いチェーンを使うからそうなるのであれば、10速のスーパーナロー仕様のチェーンを使えば問題なくなるんじゃないか?