自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

安倍峠は通れる!?

 かつて、行きたいまま行きそびれた場所として安倍峠の記事を書いた。

 もう何年になるだろう。「規制解除未定」を掲げたまま通行規制に入ってしまった。自分自身の記事をひも解けば、2011年とあるから、もう7年になるんだ。
 静岡県梅ヶ島山梨県身延町を結ぶ──。

 

 

 炭焼平山林道を走っていたこの前の日曜日。林道の途中、木々の切れた絶景の高台で、地元の女性ローディとお話しする機会があった。
 絶景を眺めつつ、彼女と会話をするなかで、
梅ヶ島温泉からさらに奥に行く道があるんですが──」
 という。
「安倍峠、ですか?」
「そうですそうです」
 いい道で気持ちよく走れる、と彼女はいう。もちろん、坂道に関してはこの炭焼平山林道を涼しげに走っていた女性だ、5割増しか、いや8割増しくらいで捉えなくちゃいけない。
「峠まで行っても、通れないんですよね、その先は。もうずいぶん長いこと」
 僕はそういった。
「そうなんです。静岡から山梨に抜ける道って、ここがふさがれると52しか(国道52号のこと)なくなっちゃうんでね、困っちゃいますよね」
 と彼女はいう。そして続けた。「でも、自転車なら通れるんですよ」
 ──なんだって!!?
「工事のおじさんとかいる日もありますけど、いいですかあ? って聞くと、おぅいいよいいよっていってくれます」
 あまりに長いこと開通しないから、規制突破してでも行ってしまおうかと思ってもいたのだ。
「ただ、かなりガレてるんで、気をつけないと」
「そうでしょうね。──熊はいますか?」
「いるという話はよく聞くんですが、私は会ったことないです。鹿ですね、多いのは」
「なるほど、さっきこの道でも鹿に会いました」
「それと山ビルですね」
「そうなんですか」
「ええ、鹿のいるところには山ビルがいるって、覚えておいてください」
 僕は安倍峠が通れると知っただけで、やがて嬉しい嬉しいと連発で口にしていたように思う。
「紅葉の時期が超オススメです!」
 ありがとうございます、そう僕は礼をいった。

 

 そうかあ、通れるのか。
 じっさいのところどうなのか、他にも情報収集してみようって思う。
 気分が盛り上がってきたよ。

 

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 通れる──は、あくまで私的見解である。
 公的にはもちろん通行規制中。