自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

大山阿夫利神社・五駄沼(千葉県野田市)、風布うどん

 地図を見ていたら見つけたのだ。

 大山阿夫利神社

 かの神奈川県、伊勢原の駅から向かう大山じゃない。千葉県野田市東金野井。近くにある五駄沼というのも気になった。

 地図が興味の原動力である。自転車を出した。



 グーグルマップにその名がある。

 残念ながら国土地理院の地図では、その場所に神社を示す地図記号はない。




 江戸川サイクリングロードに入り、右岸を北上した。筑波山がくっきり見えていた。寒い。風が強い。気温そのものも確かに低いようだけど、風が冷たさを増しているんだ。寒い。

 宝珠花橋で千葉県側へ渡った。今度は左岸を南下する。

 グライダーの滑空場があった。土手の反対側には格納庫があった。ここから飛び立ったり、ここへ着陸したりしていたのか。前方から高度を下げてきた飛行機が、河川敷の、草のきれいに刈り揃えられた滑空場へ着陸した。グライダーを上空で切り離してきた、セスナ機だった。セスナはすぐに次のグライダーをつなぐと、また滑空場の滑走面へ、離陸態勢をとって入った。セスナは忙しい。

 そんなようすを眺めながら走っていたら、肝心の大山阿夫利神社への入り口を見失った……。

 少し戻って路地へ入る。


 鳥居が、見えた。ここって私有地じゃないのか? ──入って行けない。おかげでここの神社はそもそもなんなのか、大山とはどんな関係なのか、分社なのか、何ひとつわかることなく目の前を去ることになった。


▼ 路地をつないで大山阿夫利神社を探す

▼ これか。大山阿夫利神社、人んちの納屋の裏だ……


 得られるものなくそのまま大山阿夫利神社をあとにした。

 近くにある五駄沼を眺めに行くことにした。

 この沼の名前を知らなかった。存在すら知らなかった。大山阿夫利神社を地図で見つけて、そのそばにあったのだ。形からして江戸川の三日月湖だろうか……。

 五駄沼には野田幸手園という釣り堀があった。ヘラブナ専用の釣り堀らしい。じっさいにそこへ行って見てみると、車がぎっしりと止められている。こんな知らない場所に人が集まっている。みな、思い思いに釣り糸を垂れていた。


▼ 五駄沼を目指し、路地から路地へ。

▼ 五駄沼・野田幸手




 昼を大きく割り込んだ。

 お腹が空いたから、江戸川サイクリングロードを下り、うどんを食べに行こう。武蔵野ふう肉汁うどん、吉川・風布うどん。バイクラックもある。



 お腹いっぱい。風が強くならないうちに帰ろう。