自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

柄ものバーテープ、巻き方スパゲッティ

 まさかね。こういうバーテープはないと思ってたんだ。色柄のある模様。

 むかしから、このなんとも表現しがたい柄は──だってトラ柄でもヒョウ柄でも、ヘビでもワニでもない、単なるまだら模様にしか思えない──いったいどんな自転車に似合うのか想像できなかったし、クロモリのダブルレバーでブレーキワイヤーがニョキっと出ている自転車でこういうバーテープが巻かれているのを見て、ちょっとばかりクレイジーだなんて思っていたくらいだから。そういう自転車のインパクトがあったものだから、どことなく古くさい、人とは違って突出しようとした、メガネと櫛のあまり入ってない長髪のフォークシンガーみたいなイメージを描いてた。



 すごく安くて、まあ一時的な遊びで巻いてみてもいいかなって思ってついでに買ってみた。今までのような白のバーテープと一緒に。

 白のバーテープよりも先に届いて、もちろん白のバーテープは届いてもキープしておかなくちゃいけないからこの色柄テープを先に巻く。そして、巻いてみた。


 似合う? 似合わない? 趣味は?

 ──感想、なし。

 もともと、僕はいろいろなことに対して、余り感想というものを持たない人間っぽい。


 とりあえず白が来るまでのつなぎで。



 バーテープって、ものの本やウェブで見るとその巻き方は9割くらい、「下巻き/内巻き」であるように思う(日本の場合)。右側でいうと、バーエンドから巻き始めて反時計方向に巻いていく方法だ。

 そう呼ぶくらいだから上巻きとか外巻きとかあって、組み合わせれば4通りあるのだけど、この下巻き/内巻き派はおのれのみが正義、他は否定という書き方をしている場合が多い。僕はどれでもいいと思う。好みとか、自分の理論とかで。

 ちなみにデダというメーカーのバーテープは、箱に巻き方の図が描かれていて、これは下巻き/外巻きだった。


 今回は上巻きで巻いてみた。

 けっこう僕は上巻きで巻く。巻き始めがバートップで、バーエンドに向かって。

 僕は8割9割上巻きにしてるかな。気が向いたときだけ、下巻きにする。──あ、もちろん人の自転車を頼まれたときは下巻き/内巻きにしてる。そこは長いものに巻かれろって。なんだよこれ本と違うぞ自転車屋はこんなふうにしないぞって言われたら嫌だから。

 今回の激安柄ものバーテープには化粧テープが付いていなかったこともあって(と言っても付いていても使わないことも多いんだけど……)、じゃあ終端止めのテープのいらない上巻きにしちゃおうと思ったから。


 バーテープをくるくるくると巻いているとスパゲッティを食べたくなってくる。