自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

東武日光線の急行、ピーク列車

 4月のダイヤ改正があって、それから日光方面へ行くことがなかったので、快速が廃止され、置き換わった「急行」に乗る機会がなかった。

 とはいっても、もともと日光・鬼怒川へ輪行するときでも、快速に乗ることはあまりなかった。特に6時台の快速。とても混んでいるから。観光客っぽい人はどちらかというと少なめで、圧倒的に多いのがハイカー、輪行も多い。あとは沿線の高校生。──観光客が少なめなのは特急に乗るからかな。

 6両編成の東武日光、新藤原、会津田島行き快速は、僕が乗る春日部を出るといっぱいで、ハイシーズンの東武日光ゆき(6両のうちの2両)は最後、ぎゅうぎゅうのすし詰めだった。そのときは、分割切り離しの下今市駅で車両を移って乗ることができなくて、ここから走ろうとあきらめて下車していった輪行客もいた。紅葉の盛りだった。


 たまたま昨日、突然の思い付きのまま東武日光線輪行した。

 板倉東洋大前、あるいは藤岡、その辺まで行ってみようと下調べもなしに電車に乗ったのだ。

 春日部で浅草からやって来る区間急行の南栗橋行きを待つ。ふつうの通勤電車で、ふだん僕がよく乗っているタイプの電車だ。しかしながら春日部駅のホームの様相が違う。

 かつての、6時台快速を待つ雰囲気にそっくりなのだ。確か6時52分発くらいだったか。大きなザックのハイカー、輪行袋も僕以外に6台は確認した。

 その雰囲気で僕は瞬時に察知した。乗ろうとする区間急行は南栗橋行き。時刻は6時44分発。──これは、南栗橋日光線の「急行」に接続する列車に違いない。


 銀色のステンレスの車内は混んでいた。空席などないし、立ち客もたくさんいる。すでに乗っていたハイカーや輪行客も多い。

 列車が南栗橋に近づくと異様な雰囲気に変わった。

(これ、どこかで感じたことがある……)

 18きっぷシーズンの熱海駅黒磯駅水上駅──。

 通勤車両の扉の前は人だかりになり、一触即発の殺気になった。


 向かいのホームには予想通りのかつての快速車両、6050系が待っていた。東武日光行きで車両は4両。快速時代より2両減。

 大混雑。そして4月の改正でJRとの接続が取れるよう、栗橋に停まることになった列車は、降車客もいながら当然乗車客もいて、ぎゅうぎゅうの日光遠足電車がコンプリートした。

 僕は栗橋の次の板倉東洋大前で下車。それくらいじゃ混雑緩和には貢献できなかったかな。


 鬼怒川、会津方面には下今市から接続列車があると言う。そう車内放送していた。


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南栗橋から発車する急行東武日光行き)

(すし詰め急行6050)