自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

渡良瀬遊水地と太平山謙信平で関東平野の広さを体感(栃木県・埼玉県・群馬県・茨城県)

 渡良瀬遊水地は、ここが関東地方であることを忘れてしまう、広大な空間。その中の谷中湖は、沿岸に周遊する広い道路がめぐり、車は通行止め。ウォーキング、ラン、自転車からインラインスケートやクロカンスキーの練習の人まで、思い思いに楽しめる場所。自転車を始めさせようという知人がいたらまず連れてきて気持ちよく走ってもらうに最適な場所。スポーツバイクのレンタルでもあればその用途にもってこいなのだけど。

 遊水地内の渡良瀬川沿いは、自転車で走る人さえまったくいない静寂の場所。その風景は北海道の湿原さえ思わせ、一度は立ち止まってここに身を置いてみる価値がある。


 藤岡から岩舟、大平下に至る里みちや県道は南栃の田畑を満喫できる。稲の生えそろった6月7月は緑のじゅうたんの心地いいこと。大平町はぶどうの産地でもあって、秋になるとぶどうが最盛期になる。


 太平山はかつて上杉謙信が小田原の北条と和議をむすんだのち、ここから関東平野を一望しその広さを目にしたという謙信平まで上ってみる。桜と紅葉は美しい半面、栃木からの一本の山道が車で大渋滞するので、それ目的でなければ時期をずらしたほうがいいかも。

 謙信平に行き、ござの縁台でお団子を食べるのが僕の通例。たまご焼きもおいしい。


 栃木市内に下りて、いもフライと焼きそばを食べるのもあり。安いわりにかなりのボリュームなので、気を付けて頼まないとそのあと動けなくなる。

 そして巴波川ぞいの小京都の雰囲気はやっぱりいい。くわえて大通り沿いや路地も、栃木は街を上げて全体的に小京都を生かした盛り上げをしていて、ぐるぐるとあみだくじ的にまわってみたくなるところ。カフェや雑貨店に入る時間も残して走りたいかな。



地図

ルート(GPSies)


*****


(みどころ・立ち寄りどころ)

渡良瀬遊水地:見る立ち寄るというよりは、サイクリングそのもので楽しむところ。広大な自然のなかで、ずいぶん遠い場所まで来たような錯覚を受ける。

岩舟駅:映画「秒速5センチメートル」で登場した駅は、今では無人駅。壁づたいの木のベンチは温かみがあって、ルート中の距離的にもちょうど中盤で休憩にいい。

謙信平関東平野を一望する太平山の中腹ながら、それほど標高がないのと、よほど空気が澄まない限り都心方面までは見通せないように思う。でも少し高いところから平野部を望んで、お団子を食べるのは楽しい。

大豆生田商店栃木市内のいもフライや焼きそばのお店。駄菓子感覚で美味しい。そして安い。けど安さにかまけて頼むと、ひとつひとつ量が多いからおなかが大変なことになる。

小京都の街栃木市内は巴波川沿いに残った蔵やかつてからの建物を生かし、巴波川沿いから街全体まで小京都風情を行きわたらせ、散策にはもってこいの街。