自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

眠れない遠足前夜

 そういえば子供のころ、明日遠足だっていう夜やお出かけの前夜、眠れずに天井を見上げていたのかなぁ。ぜんぜん覚えていないや。

 

 よくそう言う。熱を出したりしまう、なんてことまで言う。

 僕は小さいころ乗り物酔いがひどくて、バスに乗ることは苦しみ以外の何ものでもなかったから当然遠足は大嫌いで、ゆえに残念ながら思い出もまったくない。

 だから前夜、いわゆるよく言う眠れない時間を過ごしていたかはもう記憶がない。

 

 でも今がそうなんだよね。

 週末、サイクリングに出かけようなんて決めた日は、前夜なかなか眠りにつけない。

 いつまでもだらだらと準備なんてしているから、布団に入る時間もたいていは遅いのだけど、それからがまた眠れないんだ。

 なにも泊まりで行くサイクリングや旅行の前夜だけじゃない。日帰りで輪行しようっていうだけでもう眠れない。やっぱリワクワクしているんだろうね。楽しみで頭も目も冴えちゃうんだろうね。──さすがに熱まで出すことはないけれど。

 

 これが子供の遠足前夜っていう状態なのか。

 

 以前はこれがもう不安で、さあ寝なきゃ、目だけでも閉じてなきゃって力んで布団をかぶっていたけど、今はもうどうでもいいやってあきらめつつ布団に入ってる。寝不足だっていいじゃない、それもそれで楽しいよって。

 布団のなかで地図なんかながめながら目を閉じたくなったら明かりを消す。

 うん、地図や時刻表がいいね、ながめるのには。それもぜったい紙(本)のものに限るね。

 

 それじや、あすに向けておやすみなさい。