自転車旅CAFE

自転車旅を中心とした紀行文、紀行小説

ルート作成ウェブサービス -ルートラボ、GPSies-

 いまや地図だけを持ってサイクリングをすることなどなくなった。ウェブサービスを利用してルートを作成し、それをGPSマップに表示させる。ほんの数年前まで地図を持ち、立ち止まって確認しながら走ることが当たり前だったのに……。メリットも多いけどデメリットもあるかもしれない。きっと。でも、楽しめればいいのだからそれでいい。なにかの縛りがあるわけじゃない。

 そのルート作成なんだけど、今までずっとルートラボを使ってきた。今はヤフーのサービスだけど、ALPSLABのころから使ってた。ALPSLABFLASHを使っていたけれど、ルートラボに移ってマイクロソフトSilverlightなる拡張機能を使うようになった。初めは戸惑ったけれど、インストールしてしまえば使い方に差はなく、それから長いこと使ってきた。そのルートラボはこの先どうなるのか、このままサービス提供してくれるのだろうか。

 

ルートラボの微かなる不安

 

 マイクロソフトSilverlightのさらなる開発はしないことを言明し、サポートは2021年までとなった。でもそれより先にSilverlightを実行できるブラウザが徐々に減り、現実面では「もうすたれてしまっているのでは」と僕は感じている。

 僕のノートブックにはいくつかのブラウザが入っているのだけど、このなかでSilverlightが動くのはFirefoxだけ──おそらく、InternetExplorerでも動くのだろうけど、まったく使ってない──。Windows10からマイクロソフトが打ち出している新しいブラウザEdgeでも動かないのだとか。

 もっともSilverlightが動かないのであれば別の手法でサービス提供がなされれば問題はない。──のだけど、まあ確かにルートラボJavascriptで動作するサービスをβ版として提供はしている。でもいつから正式版か、いつまでもβ版のままだ。

 

(Firefoxで実行しているSilverlight版のルートラボ)

 

(Chromeで実行しているJavascript版のルートラボ)

 β版であれなんであれ、今までと同じサービスが利用できれば何で動いていようが僕の気にするところではないのだけど、Javascript版になるとずいぶんと違うのだ。

1.GPXファイルのアップロード機能がない

2.一点取消がボタンではなくポイントをクリックすることでメニューを出して行う

 サイクリングのログなんかをアップして楽しんでいるので、1.がなくなるのはつらい。それに引きかけのルートを保存しておいたり、途中からのバリエーションルートを作りたいときに一度GPXファイルに落とし、それを新たに上げ直して作るなんてことをしているので、GPXアップロードがないのは痛手だ。

 2.は大きなことではないけれど、ルートを途中から大きく引き直したいとき、Silverlight版なら一点取消ボタンがあるのでカチカチカチと連続クリックすればいい。でもJavascript版はいちいちポイントを戻りながら取消していかなきゃならないので、実際にやってみるとこれが苦痛だ。

 Silverlight版が提供され続けているならば、ブラウザをFirefoxで使う前提として利用していけばいいのだけど、Silverlightはこの先どうなっちゃうかわからないし、そのせいでルートラボに微かな不安を覚えているのだ。

 

***

 

 僕は、同様のウェブサービスがないかと、探し始めた。

 

グーグルマップ

 

 グーグルマップはそれ自身にはGPXファイルの保存機能を持っていないのだけど、外部サイトでグーグルマップのルートをGPX化してくれるというサービスがある。

 そこでじゃあグーグルマップでルートを引いてみよう。

 グーグルマップはルートラボと違い、始点と終点を設定するというもの。カーナビみたい。グーグルマップを使って地図上でクリックをしてしまい、「ここからのルート」というメニューが出るのを見たことがある人もいると思う。それを使って「ここからのルート」から「ここへのルート」でグーグルに引かせるのだ。

 もちろんグーグルがお好みで引いたルートが僕らのお好みになるはずもない。これを変えていくには、ルート上にあるドットをつかんでドラッグし直すのだ。別の道にそのドットを置けば、そこを経由するルートとして引き直してくれる。

 僕はこれを使って三浦半島を一周するようなルートを試みた。横須賀駅から片瀬江ノ島駅にしたと思う。ルートは確か横須賀からすぐ内陸に入って山を越え、逗子を通ってあとは海沿いだった。このルートのポイントを一点一点置き直して、僕の好むルートにする。観音崎を経由させ、久里浜のフェリーターミナル、火力発電所を越えて野比へ。そこから海沿い三浦に下り、さらに剣崎をぐるりと回る。城ヶ島にも立ち寄りたいね。

 ──そうやってルート変更をするしばらくののち、「これ以上の経由地の変更はできません」となった。

 城ヶ島と言ったら三浦半島一周のうちまだ半分だ。

 僕はグーグルマツプをここであきらめた。

 ちなみに以前作ったルートを外部サイトでGPXファイルにするのもなかなか面倒だった。

 

(グーグルマップ)

 

NAVITIME

 

 乗換検索などで有名なNAVITIME。しかしながらサービスがスマートフォンで完結してしまい、GPXファイルを作るなんて機能はないと聞いたので、触れていない。それと確か自転車のルートを引かせることは有料サービスだったような気がする。

 

GPSies

 

 最近使い始めたのがここ。感覚的にはルートラボに近く、一点一点、ポイントしていくことでルートを作り進めていく。GPXファイルの作成もサービス上でできる。

 まだ3、4回しか使っていないので、おそらくまったく使いこなせてはいないだろうけど、何となくルートラボがだめになったらここかなという最有力候補になった。

 

(GPSies)

 感覚的にはルートラボとまったく一緒。ただ、ルートの引き方が若干、こちらのほうが「機械的」かな。ルートラボはそのへん「いい具合」に引いてくれる。交通法規に厳密と言えばそれまでだけど、一方通行の逆走ルートは自動では引いてくれない。でもサイクリングロードも地図上に描かれていて、これを通りたいときに自動ルーティングしてくれるのは楽。ルートラボではサイクリングロードって引いてくれないから、直線にして一点一点引いていくしかないからね。

 地図はOSMを使っているよう。僕はGPSマツプ(ガーミンetrex30x)にOSMを入れていて目にする機会が多いせいかそれほど不思議な感じはない。

 GPXファイルもボタンを押すだけで作成できた。ただし会員登録していないとそれができない。ルートを共有するSNSみたいなところなのかな。基本的に外国のウェブサービスらしいので僕は理解できていないところが多い。

 でも慣れれば使い勝手はよさそう。

 

ルートラボとGPSiesの比較

 

 そんなわけで使い始めたGPSies──そうは言ってもまだここ三日四日の話だ──とルートラボを比較してみた。

 

ルートラボのほうがいいところ

 

  • 勾配の表示、いわゆるコースプロフイールとよくいわれるやつ

これは圧倒的にルートラボのほうがいい。GPSiesはグラフで表示されるだけ。ルートラボはプロフイールのうえをドラッグすると斜度や標高差が表示されてこれはすごいなあと思う

  • 自動ルーティングで選択される道路

自然な道で引かれるように感じる。GPSiesはけっこうポイント修正をかけなくちゃならない。

  • GPXファイルアップのルートに時間を含めたログが出る

走った時刻、時間から速度まで計算して表示してくれるルートラボはありがたい。GPSiesではあるのかな、今のところ見つけられていない。

 

GPSiesのほうがいいところ

 

  • おそらく縮尺の自由度が高い

これはOSMを使っているからなのか、ルートラボが地方に行くと大きな縮尺の(細かい)地図が表示できなくなる。まだGPSiesをいろいろな地方で使ってみたわけじゃないのでわからないけれど、少なくとも今まで引いてみたところでは拡大が可能だった。

  • サイクリングロードを自動ルーティングしてくれる

ポイントしてくれれば道を選択してくれるのはうれしい。ルートラボじゃ一点一点の直線引きだから。

 

 今のところこんな感じ。少しずつ使って、感覚をつかんでいきたいと思います。

 

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 ・GPSiesの累計標高